エクセル 名前の定義の使い方

はじめに

エクセルの名前の定義の使い方を紹介します。

セル参照 =A1:A3 に 範囲 という名前を定義して =範囲 から、そのセルを参照できます。

=SUM(範囲) のようにして、セル参照を入力する箇所にその名前を入力できます。

数式 =SUM(A1:A3) に 合計 という名前を定義して =合計 から、そのセルの合計を計算できます。

このようにセル参照や数式に名前を定義して、何を表しているのかわかりやすくなります。

セルの範囲の名前を定義する

セルの範囲に名前を付けて、その名前からセルの範囲を入力できます。

次の方法で名前を定義できます。

• 名前ボックス：最も簡単に名前を定義します。
• 名前の定義：ダイアログを使用して名前を定義します。
• 選択範囲から作成：複数列のセルの範囲にまとめて見出しの名前を定義します。

名前ボックス

名前を定義したい [セル] を範囲選択したら、名前ボックスに [名前] を入力して Enter キーを入力します。ここでは 値 という名前にします。

これで 値 という名前から B3:B5 のセルの範囲を参照できます。

名前の定義

名前を定義したい [セル] を範囲選択します。

[数式] タブをクリックし、定義された名前グループにある [名前の定義] をクリックします。

名前に定義する [名前] を入力します。参照範囲には範囲選択したセルが入力されています。[OK] をクリックします。参照範囲は通常 =シート名!絶対参照 の形式で入力されます。この形式について詳しくは下記の「セル参照と名前の有効範囲」をご覧ください。

これで定義した名前から B3:B5 のセルの範囲を参照できます。

選択範囲から作成

複数の範囲にまとめて見出しの名前を定義できます。

名前を定義したい [セル] を見出しも含めて範囲選択します。

[数式] タブをクリックし、定義された名前グループにある [選択範囲から作成] をクリックします。

上側に見出しがあるので、[上端行] をチェックして [OK] をクリックします。

名前 という名前から B3:B5 のセルの範囲を参照できます。

バージョン という名前から C3:C5 のセルの範囲を参照できます。

値 という名前から D3:D5 のセルの範囲を参照できます。

定義した名前の一覧

定義した名前の一覧を表示できます。

[数式] タブをクリックし、定義された名前グループにある [名前の管理] をクリックします。

このエクセルのファイルに定義されている名前の一覧が表示されます。

数式の名前を定義する

数式に名前を付けて、その名前から数式を入力できます。

=SUM(B3:B5) の数式に 合計 という名前を定義する例を紹介します。

名前を入力する [セル] を選択します。

[数式] タブをクリックし、定義された名前グループにある [名前の定義] をクリックします。

名前に定義する [名前] を入力します。ここでは 合計 を入力します。

参照範囲に [数式] を入力します。ここでは =SUM(Sheet1!$B$3:$B$5) を入力します。セルを範囲選択すると =シート名!絶対参照 の形式で入力されます。この形式について詳しくは下記の「セル参照と名前の有効範囲」をご覧ください。

[OK] をクリックします。

これで 合計 という名前から =SUM(B3:B5) の「SUM 関数」を使用した合計を求められます。

セル参照と名前の有効範囲

セル参照

名前を定義すると自動で =Sheet1!$B$3:$B$5 のように絶対参照になります。絶対参照なので、どのセルから名前を入力しても同じ範囲を参照します。

これを編集して =Sheet1!B3:B5 のように相対参照にできます。このとき、名前を定義したときに選択しているセルを基準にした相対参照になります。

セル「B6」を選択します。このセルが基準になります。

数式 > 名前の定義 をクリックします。

名前に定義する [名前] を入力します。ここでは 値 を入力します。

参照範囲に [セルの範囲] や [数式] を入力します。ここでは =Sheet1!B3:B5 を入力します。

[OK] をクリックします。

これで 値 という名前はセル「B6」を基準にしてセルの範囲「B3」～「B5」を参照します。

セル「C6」で入力したらセルの範囲「C3」～「C5」を参照します。

数式 > 名前の管理 から、現在選択しているセルを基準にした範囲を確認できます。

シート参照

=Sheet1!$B$3:$B$5 のようにシート名を入力すると必ずそのシートの範囲を参照します。シート名を省略して名前を入力したシートの範囲を参照できます。

範囲に [ブック] を選択します。

参照範囲を編集して =!$B$3:$B$5 のように =!参照 の形式で入力します。

これで 値 という名前は、それを入力したシートの範囲「B3」～「B5」を参照します。

名前の有効範囲

名前をブック全体で使用するか、指定したシートで使用するか選択できます。

• ブック：ブック全体で使用できます。
• シート：そのシートで使用できます。

範囲がブックのとき、名前は一意である必要があります。同じ名前は定義できません。範囲が同じシートのときも同じです。

範囲が違うときは同じ名前を定義できます。そのときは名前を入力しているシートの名前がブックより優先して使用されます。

名前を編集する

定義した名前や参照範囲を編集できます。

[数式] タブをクリックし、定義された名前グループにある [名前の管理] をクリックします。

編集したい [名前] を選択し、参照範囲を編集して [チェック] マークをクリックします。

または、編集したい [名前] を選択して [編集] をクリックします。

[名前] や [参照範囲] を編集して [OK] をクリックします。範囲は編集できません。

名前が編集されます。

名前を削除する

定義した名前を削除できます。

[数式] タブをクリックし、定義された名前グループにある [名前の管理] をクリックします。

削除したい [名前] をクリックして [削除] をクリックします。

[OK] をクリックします。

名前が削除されます。