更新日:、 作成日:
エクセル IFS 関数:複数の条件の数だけ処理を分岐する
はじめに
エクセルの IFS 関数の使い方を紹介します。
IFS 関数は複数の条件の数だけ処理を分岐します。「IF 関数」を複数の分岐に対応させたものです。
=IFS(A1<10,"10未満",A1<20,"10代",TRUE,"20以上") のようにして、セルの値が 10 未満のときは 10未満、20 未満のときは 10代、それ以外のときは 20 以上 を表示できます。
=IFS(AND(A1="エクセル",B1=365),"Excel365") のようにして、複数条件にしてセル「A1」が エクセル かつセル「B1」が 365 のときは Excel365 を表示できます。
複数条件にしたり、3 つ以上に分岐できます。
IFS 関数の引数
IFS(条件1, TRUE の処理1)
IFS(条件1, TRUE の処理1, 条件2, TRUE の処理2 …)
最初に条件を満たしたものに対応するTRUE の処理を返します。
引数「条件」 | 条件を比較演算子を使って指定します。 | スピル化 |
引数「TRUE の処理」 | 対応する引数「条件」を満たすときに返す値を指定します。数値、文字列、セル参照、関数などを指定できます。 | スピル化 |
スピル化:セルの範囲や配列を指定すると結果が「スピル」します。
引数「条件」
使用できる比較演算子には次のものがあります。
演算子 | 演算名 | 使用例 | 結果 |
= | 等しい | 1=2 | FALSE |
<> | 等しくない | 1<>2 | TRUE |
> | 大きい | 1>2 | FALSE |
< | 小さい | 1<2 | TRUE |
>= | 以上 | 1>=2 | FALSE |
<= | 以下 | 1<=2 | TRUE |
スポンサーリンク
使い方
IFS 関数は次の図のような処理になっています。条件を満たしたらそれに対応する引数「TRUE の処理」を返して終わりです。満たしていないときに次の条件を評価します。条件の数だけ分岐できます。
![1](https://ms.tipsfound.com/content/b.gif)
値が 10 未満か 10 代かそれ以上か分岐する
- 値が 10 未満なら 10未満 を表示します。
- 値が 20 未満なら 10代 を表示します。
- それ以外なら 20以上 を表示します。
最初に B3<10,"10未満" の判定が行われ、条件に一致しないときに次の B3<20,"10代" の判定が行われます。
条件を TRUE にして「それ以外」のときの処理ができます。
![6](https://ms.tipsfound.com/content/b.gif)
値が 100 か 80 以上かそれ以上か分岐する
- 値が 100 なら A を表示します。
- 値が 80 以上なら B を表示します。
- それ以外なら C を表示します。
![7](https://ms.tipsfound.com/content/b.gif)
値がエクセルかワードか分岐する
- 値が エクセル なら EXCEL を表示します。
- 値が ワード なら WORD を表示します。
- それ以外なら空文字 "" を表示します。
![8](https://ms.tipsfound.com/content/b.gif)
高度な使い方、複数条件
IFS 関数と他の関数を組み合わせた使い方などを紹介します。
AND 条件
名前が エクセル かつバージョンが 365 なら値を表示します。それ以外はエラーになります。「AND 関数」を使用して、複数条件の「かつ」を判定できます。
引数「条件」に「AND 関数」を入力します。
![9](https://ms.tipsfound.com/content/b.gif)
OR 条件
名前が エクセル またはバージョンが 365 なら値を表示します。それ以外はエラーになります。「OR 関数」を使用して、複数条件の「または」を判定できます。
引数「条件」に「OR 関数」を入力します。
![10](https://ms.tipsfound.com/content/b.gif)
スピルで AND 条件
「AND 関数」は「スピル」されないので、スピルには使用できません。
スピルで AND 条件を入力するには条件を掛け算します。条件を () で囲む必要があります。
名前が エクセル でバージョンが 365 かスピルで判定します。
結果が TRUE のときは 1、FALSE のときは 0 になります。
これを引数「条件」に入力して、条件を満たすときに値を表示します。それ以外は空文字 "" を表示します。
![11](https://ms.tipsfound.com/content/b.gif)
数式を Ctrl + Shift + Enter で確定すると「配列数式」になり、すべてのバージョンで使用できます。
スピルで OR 条件
「OR 関数」は「スピル」されないので、スピルには使用できません。
スピルで OR 条件を入力するには条件を足し算します。条件を () で囲む必要があります。
名前が エクセル またはバージョンが 365 かスピルで判定します。
結果が TRUE のときは 1 以上、FALSE のときは 0 になります。
これを引数「条件」に入力して、条件を満たすときに値を表示します。それ以外は空文字 "" を表示します。
![12](https://ms.tipsfound.com/content/b.gif)
数式を Ctrl + Shift + Enter で確定すると「配列数式」になり、すべてのバージョンで使用できます。
解説
引数「条件」の結果が TRUE なら、対応する引数「TRUE の処理」を返します。
引数「条件」に TRUE を入力して、「それ以外」のときに引数「TRUE の処理」を返します。
文字列を = や <> から比較するとき、大文字と小文字を区別しません。"ABC"="abc" は TRUE になります。「EXACT 関数」を使用して大文字小文字を区別できます。
引数「条件」に「AND 関数」や「OR 関数」を入力して複数条件にできます。
引数「条件」の結果が数値のときは 0 なら FALSE、それ以外なら TRUE として扱います。
引数「条件」の結果が文字列のときはエラー #VALUE! になります。
引数「条件」がエラーのときは、そのエラーになります。
すべての引数「条件」の結果が FALSE のときはエラー #N/A になります。
スポンサーリンク